慢性副鼻腔炎(蓄膿症) 

「風邪が治ったのに鼻水だけが止まらない」「頭が重くて集中できない」「嫌なにおいがする」
――こうした症状が3ヶ月以上続いている場合、それは慢性副鼻腔炎(蓄膿症)かもしれません。
長引く症状にお悩みの方は、豊島区椎名町の中村耳鼻咽喉科医院までご相談ください。

慢性副鼻腔炎の主な症状

慢性副鼻腔炎の症状は多岐にわたり、日常生活の質(QOL)を著しく低下させます。
「なんとなく体調が悪い」「集中力が続かない」といった漠然とした不調の原因が、実は蓄膿症だったというケースも少なくありません。

❶粘性の鼻水・後鼻漏

黄色や緑色の粘り気のある鼻水が特徴的です。
また、鼻水が喉の奥に流れ落ちる後鼻漏により、常に痰が絡む感じがしたり、咳が出たりします。
朝起きたときに喉に痰が溜まっている、就寝中に咳で目が覚めるといった症状も後鼻漏によるものです。

❷鼻づまり(鼻閉)

片側または両側の鼻が詰まり、口呼吸を余儀なくされます。
鼻づまりにより睡眠の質が低下し、日中の眠気や疲労感、集中力の低下につながります。
慢性的な口呼吸は喉の乾燥を招き、風邪をひきやすくなるなど、さらなる健康問題を引き起こします。

❸顔面痛・頭痛・頭重感 

副鼻腔内に膿が溜まることで、額や頬、目の奥、頭全体に痛みや重苦しさを感じます。
特に前かがみになったときや、朝起きたときに症状が強くなる傾向があります。

❹嗅覚障害

鼻づまりや鼻腔内の炎症により、においを感じにくくなります。
食事の味が分からなくなる、ガス漏れなどの危険を察知できないといった問題が生じます。

❺口臭・鼻臭

副鼻腔に溜まった膿が原因で、自分でも気づく不快なにおいがすることがあります。

❻耳の詰まり感・中耳炎

鼻と耳をつなぐ耳管の機能が低下し、耳が詰まった感じがしたり、難聴や中耳炎を併発したりすることがあります。

慢性副鼻腔炎の主な原因

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の発症には、複数の要因が関わっていることが分かっています。

❶感染症の反復

風邪やインフルエンザを繰り返すことで、副鼻腔の粘膜がダメージを受け続け、慢性的な炎症状態に陥ります。
特に急性副鼻腔炎を適切に治療せずに放置すると、慢性化のリスクが高まります。

❷アレルギー性鼻炎

花粉症やハウスダストアレルギーなどのアレルギー性鼻炎があると、鼻粘膜が常に腫れている状態となり、副鼻腔の換気が妨げられます。

❸鼻中隔彎曲症

鼻の中央を仕切る鼻中隔が曲がっていると、鼻腔内の空気の流れが悪くなり、副鼻腔への換気不良を引き起こします。

❹喫煙

タバコの煙は鼻粘膜の繊毛運動を障害し、粘液の排出機能を低下させます。
喫煙者は非喫煙者に比べて慢性副鼻腔炎の発症リスクが約2倍高いという研究結果もあります。

慢性副鼻腔炎の診断

まずは問診によって症状の持続期間、鼻水の性状や色、痛みの部位、過去の治療歴、アレルギーの有無などを把握します。

そして、細い内視鏡(ファイバースコープ)やレントゲンによって副鼻腔の状態を詳細に評価し、診断を行います。

慢性副鼻腔炎の治療

  • 抗生物質療法
    細菌感染が原因の場合、マクロライド系抗生物質を少量・長期間(通常12〜14週間)服用する「マクロライド療法」が効果的です。
    この治療法は細菌を直接殺すだけでなく、炎症を抑える作用や粘液の排出を促進する効果があります。
  • ステロイド点鼻薬
    局所的な炎症を抑えるために使用します。身体への影響が少ないため、長期使用も可能です。
  • 粘液溶解薬・去痰薬
    粘り気のある鼻水や痰を柔らかくし、排出しやすくする薬です。後鼻漏の症状改善に有効です。
  • 抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬
    アレルギー性鼻炎が関与している場合、これらの薬でアレルギー反応を抑えます。
  • ネブライザー療法
    抗生物質やステロイド薬を霧状にして鼻から吸入する治療です。薬剤が直接副鼻腔に届くため、効果的に炎症を抑えることができます。通院して週に数回受けていただくことで、症状の改善が期待できます。
  • 鼻洗浄 
    生理食塩水で鼻腔内を洗浄し、膿や細菌を物理的に除去します。

よくある質問

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違いは何ですか?  

症状が4週間以内に改善するものを急性副鼻腔炎、3ヶ月以上続くものを慢性副鼻腔炎と分類します。慢性化すると治療に時間がかかるため、早期の受診が重要です。

子どもでも慢性副鼻腔炎になりますか?  

はい、小児でも発症します。特にアレルギー性鼻炎を持つお子様や、保育園・幼稚園で頻繁に風邪をもらうお子様は注意が必要です。

市販の点鼻薬を使い続けても大丈夫ですか?  

市販の血管収縮剤入り点鼻薬を長期使用すると、かえって鼻づまりが悪化する「薬剤性鼻炎」になる危険があります。2週間以上症状が続く場合は必ず医療機関を受診してください。

監修

中村耳鼻咽喉科医院 院長 北村

中村耳鼻咽喉科医院 院長

北村珠理