こどものアレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎はくしゃみ・鼻水・鼻づまりが大きな特徴で、風邪が原因ではないのに症状が続きます。
ある特定の原因物質(抗原)に対する抗体が体の中でつくられた後、再びその抗原にさらされたとき(鼻からその抗原を吸い込んだとき)、上記の症状が生じます。
これらの症状は、鼻の中の粘膜でアレルギー反応(抗原と抗体が結びつき、体に起こる過剰な防衛反応)が起きることによります。
小児科で風邪と言われて薬を服用しても、ずっと鼻水が止まらない場合はアレルギー性鼻炎が疑われます。
アレルギーの原因はハウスダストやダニが最も多く、その場合1年中症状が続きます。
次にスギ花粉などの花粉症を患っているケースでは季節によって症状が強く出てきます。
特に体力、免疫力の弱い幼少期は些細な刺激(冷え、気温差、疲れなど)でアレルギーの症状が出ることが多くあります。
ご家族でアレルギー性鼻炎、アトピー、ぜんそくなどの体質がある場合、お子様にも引継がれることが多くあります。

治療内容

薬物療法

最も一般的に行われている方法です。
抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬(ヒスタミン等の化学物質の遊離を抑制する薬)、ステロイド点鼻薬等が主に使用されます。
これらの薬を症状に応じて使い分けています。

舌下免疫療法

抗原がダニとスギ花粉の方に関して、原因物質から抽出した薬剤を口腔内に毎日含んでいただき、免疫力を上げて、アレルギー反応を抑えていく治療です。
唯一の根治療法と言えます。
3~5年の継続必要です。
当院では舌下でお薬を保持することが可能であれば何歳からでも開始できます。
とくに将来受験を控えている方でアレルギー症状がある場合は早めに開始することをおすすめしています。
ダニ(ハウスダスト)アレルギーの場合は通年、スギ花粉症の場合は6月から舌下免疫療法を開始できます。

気をつけていただきたこと

実は、家で鼻吸いの吸引を頻回に行うことで過敏性鼻炎を引き起こしている場合があります。
なので、お家での鼻吸いは1日1~2回までにしていただき、アレルギーの治療を行いましょう。
また、お家でお鼻を吸う場合に鼻の粘膜が腫れた状態で吸引をしても上手く吸引できないことがあるので、

  • お風呂上り
  • ホットタオルなどで加湿したあと

などに吸引をすることをおすすめしています。
また、鼻を吸うことが習慣化すると鼻かみができなくなるので、アレルギー性鼻炎と診断された場合はお家で鼻かみの練習も行って下さい。
症状がコントロールできるようになるまでは定期的に耳鼻科で症状のチェックを受けましょう。
お子様によってはアレルギーのコントロールが悪いとアレルギー性鼻炎だけではなく、アレルギー性気管支炎を併発する場合があります。
朝晩の咳が出やすくなったり、咳が長引いて喘息に近い症状にいたることもあるため、アレルギーの原因を回避したり、疲れの予防、決められたお薬を飲んで症状を抑えるようにコントロールをしましょう。

鼻かみの練習をしましょう

小さなお子さんのはなをかむ練習 “はなかみ フーフー”

用意するものはティッシュ1枚です。

まずはお口で練習

① ティッシュをお口の前に置きます。
② 口で「フーフー」と息を吹きます。
③ ティッシュがヒラヒラゆれると成功です。

※ 鼻をかむときは口はキュッと閉じています。
口でフーフーするのは口の閉じる練習です。

次はお鼻で練習

④ 同じようにティッシュをお鼻の前に置きます。
⑤ 同じように鼻で「フーフー」と息を吹きます。
⑥ ティッシュがヒラヒラゆれると成功です。

※ 上手にできないお子さんは手で口を押えてみましょう。

最後は片鼻ずつ練習

⑦ 最後の練習は片鼻ずつ練習しましょう。
⑧ 指で右(または左)のはなの穴を押さえて「フーフー」と息を吹きます。
⑨ ティッシュがヒラヒラゆれると“はなをかむ練習”は終わりです。
⑩ それでは実際に鼻をかんでみましょう

監修

中村耳鼻咽喉科医院 院長 北村
中村耳鼻咽喉科医院
院長 北村珠理